高木文子
通学の荷物を軽くしてリュックなどの利用を勧める「ノーランドセル登下校」が1日、岐阜県本巣市の小学校などで始まった。夏に身軽に通学できるように、2年前から市教育委員会が呼びかける。暑い日はマスクも外すように指導するが、慣れてしまったマスクを外すのは簡単ではなく、試行錯誤が続いている。
市立一色小学校では午前8時前、児童が班ごとに並んで登校した。日傘や帽子で日差しをしのぎ、リュックや手提げかばんを持つ子が目立つ。マスクをしていない子が多いが、班でそろってつけている子も。3年生の男児は「熱中症も怖いし、コロナも怖い。でもしゃべりたい」と話した。暑いときはマスクを少しずらして涼むという。
文部科学省は5月下旬、気温、湿度、熱中症のなりやすさを示す「暑さ指数」(WBGT)が高い日は、マスク不要とする通知を出した。一色小でも6月上旬から登下校でマスクを外すよう指導したが、その後も9割以上の子がマスクをつけて登校したという。
「コロナ下でマスクが生活習慣になった。悩ましい」と堀内寿幸校長(58)。通学の見守りで「声に出してあいさつを」と呼びかけるプラカードを掲げていたが、マスクを外すのに伴い「目であいさつ」のカードに替えてみた。「子どもたちはどうしていいか分からなくなった」と、現在はどちらのカードも掲げていない。
現在は「暑さ指数」が28以上の「厳重警戒」になる場合に、マスクを外すよう指導している。登校班で子どもが声をかけ合って水分を取り、家で使わない教材は学校に置いて身軽に通学することも教えた。「子どもが自分で状況を考え、命を守れるようになってほしい」(高木文子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル